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グデグデと夜更かしがちな後追い探訪録

the band apartについて オススメアルバム・全フルアルバム感想

(2018/01/25 更新)

band apart
画像出典・http://www.loft-prj.co.jp/interview/0505/02.html
バンドについて
the band apartは1998年から本格的な活動を開始したロッックバンド。多ジャンル(ヘヴィメタル、メロコア、フュージョン、ソウル、ジャズ、ボサノヴァなど)を横断しつつ、独自のセンスで程よくキャッチーにまとめあげられたその音楽性が最大の特徴。ジャンルとしては、「マスロック」(複雑なリズムチェンジやリフが多いバンドの総称)に分類される。その演奏技術は高く、曲中にはテクニカルなフレーズや複雑なコード進行が多く見られるが、気取った雰囲気や難解さは全くなく、良い意味であっさりと気軽に聴き込めるのが彼らの魅力である。オシャレなロックとしてBGMにする事もできるし、阿吽の呼吸によるサックリなのに濃密、遊び心たっぷりなバンドサウンドに酔っ払う事もできる。しっかりとシーンにおける立ち位置を維持したまま、聴き応え抜群のアルバムをただただ届けていく様はひたすらに頼もしい。デビュー以来歌詞は全英詞となっていたが、2012年には日本語詞も解禁した。

メンバー
荒井 岳史(あらい たけし):ボーカル&ギター
川崎 亘一(かわさき こういち):ギター
原 昌和(はら まさかず):ベース&コーラス
木暮 栄一(こぐれ えいいち):ドラムス 

オススメ曲


独断で選ぶ初聴きにオススメなthe band apart曲。1stから時系列順に。
Eric. W (K. AND HIS BIKE収録)
Higher (quake and brook収録)
Still awake (alfred and cavity収録)
I love you wasted Junks&Greens (Adze of penguin収録)
photograph (Scent of August収録)

the band apart ~音楽性から見る関連バンドと、テクニカルフレーズの宝庫「マスロック」

ディスコグラフィ(ジャケを貼るのにアフィが一番楽だったのでお許しください)

2003年:1th 『K.AND HIS BIKE』
★★★★★

初聴きにオススメ。既にそのクオリティは尋常でなく、この時点で基本的な音楽性は完成されている。彼らの作品中最もエモ、ロックに寄った作風であり、熱く盛り上がる。ボサノヴァからエモへ、ファンクもどきからジャジーへと、縦横無尽なそのミュージックは今まだ色褪せない。「FUEL」イントロの力を抜いて飛んでいく感覚、誰もが痺れる「Eric. W」、ノスタルジック・ザ・エモ曲「K.AND HIS BIKE」と多くのファンの支持を集める代表作で、最初はやっぱりこの一枚です。
オススメ曲→ FUEL / FOOL PROOF / Eric. W / K.AND HIS BIKE 他大体全部


2005年:2nd 『quake and brook』
★★★★☆

初聴きにオススメ。前作の延長線上となる作品だが、今作はエモとロック感を減らし、音が軽くなった分爽やかさが強まっているのが特徴。透き通った風が吹いてます。BPMも構成も緩急が意識されており、クリアな音になった分スキマの旨みも深まった。その辺りの違いで前作と入り口を選ぶと良いかと。「オシャレなロック」と言って一番シックリくるのはコレ。こちらも代表作ですね。
オススメ曲→ coral reef / higher / real man's back 他


2006年:3rd 『alfred and cavity』
★★★★

前作より更に軽やかさを強めた一作。元々クロスオーバーな作風だったけれども、ドラマーが新たにブラジル経由のリズムを持ち込んだことで、そういった異文化要素をメンバーの音楽センスでどう料理するか、「ポップ」と「ロック」にが落とし込むか?が聴きどころ。バンドマンとしては最も参考になる一枚かもしれない。コレというキラーチューンがないので地味に映るかもしれないが、曲の粒は揃っており、サクッと複雑な好盤。作風、佇まいとして一番「ポップ」の語が似合う作だと思う。
オススメ曲→ Still awake / Stereo / beautiful vanity 他


2008年:4th 『Adze of penguin』
★★★★

ジャケの雰囲気も一新、ちょっとした転換作となったアルバムで、かつてなくエフェクターを取り入れた音像が新鮮。ギラついたジャケの色彩通りの音だ。ここからフュージョンをほんのり混ぜ込め始めたように思う。今までのキャッチーさが少し薄れたので、若干難解さを感じさせるかも。あと、アウトロで特に盛り上げることなくセッション模様をループしてフェードアウトという展開もこのころから始まった。「I love you wasted~」は最高の一曲。ストーンズも驚きの空拍リフに乱打乱演絡み合うまさにこのバンドでしか作れ(ら)ない。
オススメ曲→ I love you wasted Junks&Greens / Cosmic shoes / Moonlight Stepper 他


2011年:5th 『Scent of August』
★★★★★

これまでのアルバムを統括したような、一つの集大成的作品。彼らの場合どの曲もクオリティが保証されているので、後は全体の流れが決め手となるのだが、今作はその流れが抜群に良い。初めて聞くには多少重たいが、遠回りしてから聞いて欲しい傑作。特に最初と最後の曲が好き。パンク(勢いのテンポだけだが)やパワーポップ、シューゲイザーにも踏み込んだことで、全体の聴きやすさも取り戻している。「photgraph」のメロディは屈指のキャッチーさだし、「light in the city」は最高のアーバン・シューゲ・エモ、「Stay up late」は抜群のAOR。さらに多彩・さらに抜き差し自在になった曲たちに確かな成長と道程を感じる、1stと並ぶ最高傑作
オススメ曲→ photograph / light in the city / Rays of gravity / Stay up late 他


2013年:6th 『街の14景』
★★★★

日本語の歌詞を大々的に導入、新しい境地に降り立った挑戦作。最近の「シティ・ポップ」イメージドンピシャ(少し先どった)だろう「夜の向こうへ」からCournelius的ロック調の「ノード」、ライト・ヘヴィメタル(矛盾!)な熱いインスト「師走」と改めてそのふり幅に驚く。以下個別のブログ記事にて。
オススメ曲→ ノード / 師走 / アウトサイダー 他


2015年:7th 『謎のオープンワールド』
★★★☆

日本語作第二弾。アルバム発表前のミニアルバムなどから伺えたローファイ方面の録音をそのまま持ち込んでおり、音の好みは中々別れそうなところ。ここまでくると音楽性は「完成」という感じ(特に川崎さんのリードフレーズ・ワークは正直マンネリ入ってしまった……)で、耳馴染みの良い楽曲が並ぶ、言い換えれば驚きはないかもしれない一作。ここにきて歌詞が面白くなってきており、「殺し屋がいっぱい」などはユーモラスな歌詞につられて曲もシンセ・ポップをギターで再現した感じに。こういう遊び心をもっと広げてほしかったり。
オススメ曲→ 殺し屋がいっぱい / 遊覧船 / 最終列車 他
 

2017年:8th 『Memories to Go』
★★★★

英詩がカムバックして、少し「the band apartといえば」なイメージに寄せて(戻して)きた一作。とはいえサウンド的には概ね今まで通りで、自分たちの過去曲の別解バージョン的な展開も目立つ。前作より色々と取り戻してはいるものの、もう少しユーモア、新しいアイデアを聴いてみたいというのも素直な気持ち。とはいえ良いものは良い。「♪愚痴を言ってもしょーがない」といった日本語詞の乗せ方も好きだし、改めて原さんのベースラインはいつだって至高
オススメ曲→ Castaway / 雨上がりのミラージュ / She is my lazy friend 他


バンアパはEPなどのリリースも多く、フルアルバムだけではかなりの曲を取り残してしまう面倒なバンドでもある(しかもそこにも良い曲を仕込んでくる。「Free Fall」「Mercury Lamp」「銀猫街1丁目」「クレメンタイン」etc.)。
その他の作品についてはwikiを参照。日本語史を取り入れだした2012 e.p. やthe surfaceなどが力作かと。ちなみにボーカルの荒井さんは2013年にソロアルバムもリリースしている(記事リンク)。

その他記事

”街の14景”release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR 2013/10/10 @札幌ペニーレイン 感想
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