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グデグデと夜更かしがちな後追い探訪録

特集記事・スピッツについて~断言はしない、現実主義なロマンチスト

スピッツについて、オススメ作品・バンドの音楽性(魅力)について・アルバム感想をまとめました。ちゃんと聴いたことはないけど興味がある方、大好きだけど最近聴いてなかったなという方。誰かの参考やキッカケになれば幸いです。
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画像出典・http://ticketcamp.net/live-blog/wp-content/uploads/sites/3/2013/12/2801542.gif
スピッツは1987年に結成された日本のロックバンド。91年にメジャーデビュー、95年にリリースしたシングル「ロビンソン」で大ブレイク、以降は過去曲などのドラマ主題歌タイアップも受け、現在に至るまで人気ロックバンドとして幅広い層から支持を集め続けている。

その音楽性の魅力は主に5つの視点で語られます。「ボーカル草野マサムネの透き通った声」「人懐っこいグッドメロディ」「隠喩を用いた巧みな独特の作詞」「多種多様な音楽をポップに吸収した懐の広いバンドサウンド」「ライブバンドとしての確かな実力」…他にも様々な要素があると思いますが、スピッツの長い人気の秘訣は、ベテランになっても変わらない、音楽やファンに対する真摯な活動姿勢じゃないでしょうか。数多くのファンやフォロワーを持つ彼らの音楽を、初武道館公演のタイミングに合わせて、個人的ながら振り返っていきたいと思います。

■オススメ曲
■初めて聞くなら
■スピッツの魅力とは
■全アルバム感想


メンバー
草野マサムネ - ボーカル、ギター、ハーモニカ
三輪テツヤ - ギター、コーラス
田村明浩 - ベース、コーラス(リーダー)
崎山龍男 - ドラムス、コーラス

オススメ曲
ここでは「大ヒット曲」「ほか有名そうな曲」「スピッツらしい」「ロック方面」の4つに分けてスピッツの曲を紹介。これだけでは紹介しきないので、参考程度に…

スピッツはシングルのミリオンセラーが3曲あるので、まずはそれを。ロビンソン→空も飛べるはず→チェリー。どれもすでにスタンダードですが、スピッツらしいという意味でやはり一つ選ぶならロビンソン。みんなタイムレスな名曲です。
そのほか今も有名そうな5曲、君が思い出になる前に→楓→春の歌→スターゲイザー→魔法のコトバこちらのリンクにまとめました。まだまだあるとは思いますが、とりあえず。


続いて一般的なイメージに反する、ロックなスピッツをライブ映像で紹介。8823→メモリーズ・カスタム→みそか。リズム感にも定評ある彼らの演奏、是非大音量で。特に匠なドラミングに注目。


最後に個人的にスピッツワールドを感じる4曲をチョイス。夜を駆ける→渚→ホタル→夢追い虫。幻想的・躍動感・切なさ・力強さ…みたいな。他にもYやら田舎の生活やらたくさんありますが、動画もないので泣く泣く割愛します。


初めて聞くなら
20年以上のキャリアを持つ彼ら、初めてきく一枚というのも難しいところです。シングルコレクションが出ているので、そこからが安牌でしょうか。また、非公認なので紹介するわけにはいかないのですが、「RECYCLE」という中期ベストは、売上的黄金期……彼らの一面を抜粋しただけの編集盤ですが、メロディメーカーとしてのスピッツをかいつまむには最強の一枚となっています。
1991~1997
1997~2005
2005~2017


オリジナルアルバムでは、初期の名作とされる「名前を付けてやる」(洋楽ファンにオススメ)
猫が目印

ロビンソンなどを収録した最高売り上げ記録作「ハチミツ」(代表作)
スマイルが目印

ロックとスピッツらしさを調和させた「三日月ロック」(ロック好きにオススメ)
座り食いが目印

一番聴きやすいと思う「さざなみCD」(J-POP好きにオススメ)あたりが入りやすいと思います。
振り向き笑顔が目印

全アルバム感想も参考になれば幸いです。
全アルバム感想を見る
 


スピッツの魅力について
さて、最初の項で簡単にバンドの魅力にふれましたが、彼らの魅力を一概に言葉にするのはやはり難しいです。ファンそれぞれ様々な思いがあると思います。なのでここでは、自分が思う彼らの魅力を稚拙ながら書き連ねます。

個人的に、「スピッツの何が好きか」と聴かれたら、「断言しないこと」と答えます。一般的なポップソングの多くは、「永遠に愛している」やらなんやらと、断言を用いて曲を作ります。そういう言葉は確かに力強いしカッコ良い…しかし。正直そんなキザな言葉が響くのは、酔っぱらった時とか、親友や恋人と束の間を楽しんでいる時位のもので、基本的に非日常の話です。日常は断言できない、もっと曖昧で、退屈なことだらけなワケで…。

草野マサムネは、歌詞において「力強い断言」をしません。代表曲で例をあげると、有名なチェリーの一節であっても「愛してるの響きだけで→強くなれる気がしたよ」であり、空も飛べるはずでも「君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる→きっと今は自由に空も飛べるはず」なのです。どちらも、本当にそうなってはいない。日常の刹那の幸福感に目を向けたうえで、大それたことが現実には起きえない事までさりげなく描く。1st収録の「ビー玉」という曲ではこう歌われています。「どうせパチンとひび割れて、みんな夢のように消え去って、ずっと深い闇が広がっていくんだよ」。彼の詩は掴みどころがないですが、基本的に視線はいつも現実をしっかり見据えており、夢物語の実現や永遠の幸福みたいなものを信じていません。

そのうえで、こうも書くんです。「理想の世界じゃないけど 大丈夫そうなんで」(君は太陽)「負けないよ 僕は生き物で 守りたい生き物を抱きしめてぬくもりを分けた 小さな星のすみっこ」(小さな生き物)。ヤサ男的な力強さを持っている。そして「ロビンソン」では、「同じセリフ同じ時 思わず口にするようなありふれたこの魔法」という何気ない一節から、「誰も触れない二人だけの国」を作り上げ、「宇宙の風に乗る」まで脳内跳躍を見せる。その想像(妄想)力

現実はもろくて、曖昧で、退屈。でもその上で、そんな退屈な日常を切り抜いて、想像妄想を巧みに織り交ぜる事で、スピッツは日常を素敵な音楽にして鳴らしてみせます。断言しないから日常でも共感できる。そして断言しなくても納得できる曲の良さ(説得力)がある。いうなれば、現実主義のロマンチスト。そんな矛盾した感覚が成立しているところが、彼らのバンドマジックだと思います。その曲を聴いてる間は、どんな現実も吹き飛びそうな、そんなポップミュージックの魔力。結成25年近くをへて今も、その魅力は健在です。

そんな、変わり映えない日常を素敵に鳴らしあげるスピッツの音楽を聴いてみましょう。


 
全アルバム感想記事です。
スピッツ 全フルアルバム感想 -初期-
インディっぽく、自由に音楽やってた初期三作「スピッツ」「名前をつけてやる」「惑星のかけら」について書いてます。
スピッツ 全フルアルバム感想 -中期①-
メジャーを意識し、重荷を背負うこととなった中期4作「Crispy!」「空の飛び方」「ハチミツ」「インディゴ地平線」について。
スピッツ 全フルアルバム感想 -中期②-
絶頂期の中、ロックバンドとしてどうするかを問うた中期3作「フェイクファー」「ハヤブサ」「三日月ロック」について。
スピッツ 全フルアルバム感想 -後期(現在)-
放浪を終え、なおバンドを続けることを選んだスピッツの今。「スーベニア」「さざなみCD」「とげまる」「小さな生き物」について。

スピッツ / SPITZ JAMBOREE TOUR 2013-2014 “小さな生き物” 2013/11/24 @札幌ニトリ文化ホール←ライブレポです


記事を書くにあたって、素晴らしい記事が見つかったのでここに記しておきます。
スピッツ 草野マサムネの詩の世界 第2回 「死とセックス、あるいは宇宙」 - motoheros
歌詞の分析で、この記事よりよっぽど詳しい分析がなされています。
vol.13「スピッツ―真っ当に、けもの道を歩み続けること」文=松浦 達 | YUMECO RECORDS
スピッツの始まりから今までをサーッと追う内容。リアルタイム感ある記事です。
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