WITHOUT SOUNDS

グデグデと夜更かしがちな後追い探訪録

Pajo / Pajo (2005) 感想 「素朴すぎて沁みる アシッドフォークの佳作」

slint、tortoiseと渡り歩き、パパM名義などのソロ活動を経て今なお独自の音楽性でその才能を鳴らしているパホ、その初のセルフタイトル作が今作。カテゴリ詐欺に、音響派でも何でもないその人肌な生々しいサウンドが沁みる隠れた一品を紹介。

パホパホ
(2005/06/03)
パホ

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64のメタルマリオみたいな感じだな何やら硬質そうなアートワークですが、内容は全然違うのだ。

(凄く良い)>太字(良い)>普通 赤太字は名曲 、斜体はリードトラック、下線は個人的なベストトラック

トラックリスト
01. Oh No No - 1:36
02. High Lonesome Moan - 4:10
03. Ten More Days - 4:20
04. Manson Twins - 5:38
05. War Is Dead - 4:14
06. Baby Please Come Home - 5:53
07. Icicles - 3:07
08. Mary of the Wildmoor - 3:50
09. Let Me Bleed - 5:29
10. Francie - 5:27

Total length : 44分

総評・★★★★
なんとなく愛聴してしまう類 素朴さに心を浸す
初っ端に「アシッド・フォーク」なんて言葉を使ってしまったが、常々思うがコイツぁ中々意味が不明瞭なジャンル名だ。検索してみると、ディスクカタログ曰く「アシッド・フォークとは、夜に聴く、または演奏するフォーク・ミュージック」…らしい。本作はまさにそのアシッドフォークやらに分類されているのだが、確かにこの説明を踏まえると納得だ。いわゆるポストロック、音響派における重要バンド、slint、tortoiseを渡り歩いた人物というと相当「音」というものにこだわりのある人物に思えるが、この作品で鳴らされる音に執着はない
 
爪弾かれる生生しいアコースティックギターの音色、たまに出てくる「ドラムがいなかったから」とでも言いたげな質素すぎるリズムトラック。どれも「手作り感」がすごい。家でちょっと歌ってみて録ったような、難解さや前衛さのないその音楽性は素朴そのものだ。

とはいえやはり、寧ろそんなスタイルだからこそ個性が出てくるわけで、そこが魅力なのである。オーソドックスな弾き語り曲も悪くないが、個人的な今作の聴きどころは、控えめなリズムマシーンの上にアコギが乗っかった曲たち。コレが本当にすごく良い。極めてシンプルで心地よいリズムトラックの上に、ホンワカしたアコギの音、この黄金律。そこに囁くように歌うボーカルの組み合わせ。たまらない。自分はBlue Nileという(←地味に伝説の)アーティストが大好きなのだが、ある意味それに近い感触がある(リンク先の曲は違う曲調ですが)。下のトラックリストで言うと、赤字がそういう曲である。二つしかないのは少し残念だが…。

100人が聴いて100人が地味だという感想を抱くであろう作品だ。でも、そういう作品ほどスッと胸に沁みたりするのだ。「佳作」という言葉がべらぼうに似合う、たまに手に取りたくなるような一作。最近疲れている、考え込んでしまう、なんとなく人恋しい…そんな人に勧めたい。


視聴用の動画はこちら

出だしから黄金律さく裂。そして切ない別れを悔やむ歌詞。4:20位からの感じがまた最高。Oh baby please come home...


PAJOPAJO
(2005/08/10)
PAJO

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国内盤はライナーノーツに対訳完備だが、ボートラはなし。そういうブックレットは良いよという人は輸入盤でいいだろう。でも歌詞は割と良いよとさりげなく勧めておきます。