WITHOUT SOUNDS

グデグデと夜更かしがちな後追い探訪録

【年間ベスト】2017年の個人的な50枚 後半 (25→1位)

前半記事に引き続き、後半です。よろしくお願いします。
【年間ベスト】2017年の個人的な50枚 前半 (50→26位):WITHOUT SOUNDS

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25. Shigeto 『The New Monday』
デトロイトを拠点とするトラックメイカー3th。活動拠点通りのデトロイト・テクノ・マナーに、本人のルーツであるジャズ・フレーバー、近年のヒップホップやトラップの流れも取り込んだ、非常にハイセンスなエレクトロニカ(ハウス、ラップ)作です。初期Matthew Herbert好きな方もぜひ。デトロイト・テクノの名(編集)盤のひとつにGalaxy 2 Galaxy『A Hi-Tech Jazz Compilation』がありますが、その現代的なアップデート版としてみても楽しい。両者の間にある25年間ほどに見える音楽の広がり……アートワークの、同じ場所に違う時間軸の人間が平行して映されている光景が、本作を象徴しているように思います。
ベストトラック:「Detroit Part Ⅱ」「Ice Breaker」
Shigeto - Detroit Part II - YouTube
The New Monday | SHIGETO



24. FKJ 『French Kiwi Juice』
フランスはパリのDJ、プロデューサー1st。「フレンチ・エレクトロ・R&B」なんて、べらぼうに良さそうな響きがありませんか。ソフトタッチでメロウ、アーバンな極上盤。Lying Togetherなんて、2愛+4愛したくなっちゃいます。ShigetoとFKJのコレが、自分の中で漠然と「現代的なハイセンス」のイメージ(重低音苦手派)。
ベストトラック:「Skyline」「Canggu」「Lying Together」
Fkj - Skyline (Official Video) - YouTube



23. Alvvays 『Antisocialites』
カナダのインディー・ポップ・バンド2nd。シンセ中心でなく、ドリーム・ポップやネオアコを巻き込んだガレージ系ソフトポップ、「青春」「キラキラ」の方です。とにかく”死ぬほど曲が良い”。「恋に落ちる一枚」とかいう意味不明な言い回しがあるけど、多分こういう作品のために在る言葉ですね。80sから00sエッセンスまで、ひたすら良さ……。老舗メディアが割かし落ち着いた評価つけるなか、思わず「90点(★★★★☆)」つけてしまったAll Music、気持ち分かるよ。
ベストトラック:「In Undertow」「Not My Baby」「Saved By A Waif」




22. Baths 『Romaplasm』
ロサンゼルスのビートメイカー4th(別名義多数)。Radioheadも連想する暗い色彩の前作から、一気に揺り戻して明るい作風に。しかしブライトタッチのビートメイキングに乗っているのは、「自分にとことん正直でいたかった」という彼の、LGBTへの意識も見える素のラブソングスで、今作の歌比重はSSWの領域。ゆえに好みは分かれるか。ただここまでビートと歌のハーモニーが共存しているものは中々ない気がして、00s前後のエレクトロニカを思い出させます。リズムが駆け跳ねる「Adam Copies」と、ラストを盛り上げようとし過ぎてトランスに踏み込んでしまう「Broadback」が強い。
ベストトラック:「Yeoman」「Adam Copies」「Broadback」
Baths - "Yeoman" (Official Lyric Video) - YouTube
Romaplasm | anticon.



21. Hoops 『Routines』
USインディ・バンド1st。コーラス、リヴァーブ、ギターポップ、ローファイ、今更このフォーマットで何が想像されるか……ただし本作は、凡百でなく最高レベルのやつ。昨年のDIIV『Is the Is Are』(←傑作)に続く快作です。FeltやThe Radio Dept.の影響を感じさせ、ベッドルームポップや打ち込みのリズム感覚も織り交ぜた、ローファイの煙に隠れたハイブリッドなバンドサウンドで、Real Estateの新譜も良かったけれど今回はこちらに軍配。いま出てきたバンド名全部好きな方は少なくないはず、そうぜひに。
ベストトラック:「Rules」「On Top」「Management」
Routines | Hoops



20. Beach Fossils 『Somersault』
USインディ・バンド3rd。前項の「今更このフォーマットで……」はまさにこの辺のバンドから形作られた訳で、同時にその興隆は間違いなくもう過ぎている。なのに今、そこからこんな素晴らしいアルバムが届くとは……。元々メロディというよりコードのトーンやらの背景色で聴かすバンドだったと思うんですが、本作についてはこのクレジットがすべてを物語っているかと。様々なゲストミュージシャン(ラッパー含む!)を迎えて編み込んだ本作の楽曲は、形骸化したフォーマットへ大いに可能性を示唆する会心作。ストリングスがバッキングを刻み、突如フルートソロが入ってきて、最終的には往年のロックバラードみたいな単音ギターフレーズに雪崩れ込む「Saint Ivy」が素晴らしい。
ベストトラック:「Tangerine」「Saint Ivy」「Be Nothing」
Somersault | Beach Fossils



19. The Horrors 『V』
UKロックバンドその名の通り5th(Maroon5とセンス被ってんぞ……)。ノイズギターにインダストリアルなビートを重ねた凶悪で官能的な先行シングル「Machine」、UKらしい過剰さ(魅力)を持った本曲に多くのファンが期待を膨らましたはず。しかしアルバムを開くと、そこにあったのは――期待された音の暴力性よりまず――抑えたBPMで拵えられた重心の低いヘヴィダンス・チューンたちで、インダストリアル要素はあくまでリズムのボトムを厚くするためだったことが明らかになりました。つまり、完全に『Luminous』の継承・完成形、『Primary Colours』第二幕ではなかった

ということで割に賛否が見えたんですが、個人的には2nd以来の傑作です。とにかく間奏のインスピレーションがダンチ!そしてラスト、ともすれば時代半周遅れ、同時にとびきりロマンチックなこの曲をちゃんとクールにキメられるのは、やっぱり稀有なロックバンドだと思う。
ベストトラック:「Hologram」「Machine」「Something to Remember Me By」




18. MONO NO AWARE 『人生、山おり谷おり』
八丈島(どこ)発、東京インディ系(雑括り)デビューアルバム。ローファイ・ガレージでパンクを通過したグループ・サウンズとか言われるんですか。ひょっとしてシティ・ポップ(超雑括り)扱いかもしれませんが、この、意味がありそう、で、ない(けど少し胸に引っかかる)歌詞、ナンセンス・ストーリーテラー具合だけで一線を画している気がします。ホラーズが純然としたクールさなら、こちらは「いなたさ」を逆手にとってます。どっかのソウル系メロディを替え歌したような「イワンコッチャナーイ」といい、CHAIと同じく語感センスが抜群・痛快。今年もP-VINEの目は間違いなし。
ベストトラック:「井戸育ち」「マンマミーヤ!」「イワンコッチャナイ」「ブーゲンビリア」




17. Father John Misty 『Pure Comedy』
USインディ重要人物の本名義3th。ついに全米TOP10入りした本作は、いろいろ大陸スケールの大作。オペラの導入ばりに「人間の喜劇の始まりはこんな具合だ──」なんて語り口で始まる#1から、間髪入れず「テイラー・スウィフトと寝てるんだ VRの世界で毎晩ね」と結んでくる#2の流れ(この2曲目が歌詞の皮肉さに反してまた最高の3分ポップソング)!今のチャート上位層に反して本当に古風なくらいベタなコード進行とアレンジ、その堂々たる歌い上げっぷりが最高。Beck「The Golden Age」も連想する「Smoochie」ほか鳴りも完璧。フジのカリスマ然としたライブも忘れられません(Kurt Vile→FJMと順調にTLのUS indieガチ勢から教わっています、感謝)。
ベストトラック:「Pure Comedy」「Total Entertainment Forever」「Ballad of the Dying Man」
(7) Father John Misty - "Total Entertainment Forever" [Official Music Video] - YouTube



16. Bonobo 『Migration』
イギリス出身、Tychoと並べて生演奏エレクトロニカ勢6th。2000年前後って「エレクトロニカ」と「ポスト・ロック」がその境目を争っていたと思うんですが、前者がその可能性を広げていく中、後者は「フェス(ライブ)」と「演奏のダイナミクス」に帰結して終焉した(後続も完全にフォロワー止まりだった)印象があって、両者を折衷したようなBonoboを聴くと、そこの差を思います。この音楽が似合うゲームや映画は絶対気に入っちゃいそう。このジャンルにして全英#5位も驚異的です。フジロックのライブ以降「Kerara」がlive版しか受け付けなくて、あの4分間は本当に最高だった……再来日あります。FJMと同じ日に(ワラ
ベストトラック:「Migration」「Outlier」「Kerala」
Migration | Bonobo



15. Phoebe Bridgers 『Stranger in the Alps』
ロサンゼルスのSSWデビューアルバム。ライアン・アダムスの目に留まったというのは伊達じゃない。00sインディをバックに育った瑞々しいAimee Mannというか、そういう女性SSWの良さですよね。まずMotion Sicknessをぜひ。人気の広がりから国内盤も発売決定、これを糧に更に聴きこみたい所。
ベストトラック:「Motion Sickness」「Scott Street」
Phoebe Bridgers - Motion Sickness (Official Video) - YouTube
Stranger in the Alps | Phoebe Bridgers



14. Cameron Graves 『Planetary Prince』
カリフォルニア出身キーボーディスト1st(初リーダー作)。カマシ・ワシントン作の常連です。Thundercatまで参加してる猛者揃いの本作ですが、主犯はCameron Graves(p)とRonald Bruner Jr.(ds)。スラッシュ・メタル愛好家のふたり、波長が合ってしまうのか。ピアノが左手で低音弦ギターリフ、右手で縦横無尽に鍵盤を走らせれば、ドラムは奇怪なアクセント移動に細かすぎるフィルインで潰しにかかり、ベースのHadrien Faraudが何とかふたりを紐づける。曲によっては人選ミスったファンク・バンドのようなこの三角、ロック好き目にもめちゃくちゃフリーでカッコいいっす。カマシ客演の「Adam & Eve」は『The Epic』的に壮大な一曲。
ベストトラック:「Santania Our Solar System」「Planetary Prince」「Adam & Eve」
(7) Cameron Graves "Planetary Prince" - YouTube



13. Sorority Noise 『You're Not as __ as You Think』
コネチカット出身インディロック、大雑把にエモ系バンド3th。Weezerやらへの憧憬あふれる"全9曲21分"という最高のパワーポップ・パンクだった1st『Forgettable』から、音の厚みにキーボードを導入しスケールを一気に広げた今作で覚醒。「No Halo」のハーフテンポになだれ込む展開、「A Portrait Of」後半の独白、聴き手の感覚に覆いかぶさるような「fucking stand」の叫び。この確信めいた音と瞬間の数々を"エモ・リバイバル"なんて言葉で済ませるのは野暮。何かが間違って来日してほしい。
ベストトラック:「No Halo」「A Portrait Of」「Leave The Fan On」
You're Not As _____ As You Think | Sorority Noise



12. CHAI 『PINK』
ジャパニーズ・ガール・バンド1stフルアルバム。「NEOかわいい」などの標語を掲げて話題沸騰中の彼女ら。リードトラック「ほれちゃった」が素直に良い曲で、シティポップ系かな~とアルバムを再生したら、まさかのカウベルに小気味良い早口が飛び込んでくる、と、どんどんリズム隊も大変なことになっていく様に惚れた。ホーンも(人声の)「ブーン」もこの人たちにとっては同じで、抜ッ群の語感センスが痛快すぎる。ファンクもイケつつ、J-ROCK的な縦ノリ完備なリズム隊に、部分部分"だけ"登場するギターの抜き差し、とにかく最初の4曲を死ぬほどリピートしました。「ボーイズ・セコ・メン」の展開は完全に天才ですね……
ベストトラック:「ハイハイあかちゃん」「N.E.O」「ボーイズ・セコ・メン」「ほれちゃった」
(7) CHAI『ほれちゃった』Official Music Video - YouTube



11. King Kruel 『The Ooz』
ロンドン出身オルタナ・ホープ2nd。1stの印象は、特徴的なバリトンボイスを持った、ポスト・パンクを好みつつも世代的にヒップホップやエレクトロニカをしっかり吸収している若者くらいのものだった。しかし『A New Place 2 Drown』(本人名義の前作)でトリップ(ヒップ)ホップ好きを墜とし、本作が真打ちだった。圧倒的にモダンで、でも何故か懐かしいその感覚――例えばPortisheadの1stを聴いて、ダウンビートに揺らめくダビーな音像の隙間に、どこでイメージづいたかも分からないセピアの映画が連想できるのと同じ――オールディーズを歪に捻じ曲げた「Lonely Blue」ほか。自分には形容できない怪物的な一作。
Mikiki | キング・クルール『The Ooz』は2017年版〈In Utero〉か? 若きロンドナーが全米で支持される理由を識者2人と読み解く(1/2)
ベストトラック:「Biscuit Town」「Dum Suffer」「Lonely Blue」
(7) King Krule - Dum Surfer - YouTube


長かったベスト記事もついにTOP10です。ここまできたら最後までぜひ……。




10. Jay Som 『Everybody Works』
オークランドの女性SSWホープ2nd。これは……好きにならざるをえない。だってここ10年くらいの「インディ」に感じられた、素朴な方の良さが全て詰まっている。ストレートなロックチューンから、ドリームポップ、シューゲ、ベッドルームポップ、ローファイ、チェンバーポップ風味で鮮やかに彩られた楽曲、に少し漂うセンチメンタル。アコギ一本で成り立つ曲の良さにこの手札の多さ、なすすべなし。表題曲の「My promises were never meant, I guess I'll never feel okay. Everybody Works. Everybody Works. You don't want to see me like this.」という屈指のラインで静かに泣く(続くラスト「For Light」で死ぬ)。
ベストトラック:「The Bus Song」「BayBee」「Everybody Works」
(7) Jay Som - The Bus Song [OFFICIAL MUSIC VIDEO] (Amazon Original) - YouTube
Everybody Works | Jay Som



9. Happyness 『In Write』
サウス・ロンドンのスリーピース2nd。前作は2014年度4位に選びました。その時は「スパークルホース、ヨラテンゴ、ペイヴメントらを飲み込んだ……」と書いていて、今作も90s直系と紹介できる内容だと思うんですが、このバンドはフォロワーというか「そのもの」。自分の好みの基礎になってる90s、改めて、当然ながら「年代」が好きなんじゃなく、そのあたりに何故か固まっている共通の「感覚」、「雰囲気」に惹かれてるんですよね。そして本作はソレを持っている。持てている(本当に羨ましいな)。ハイファイ側でそこそこ聴きやすかった前作に対して、本作は何故かローファイに立ち戻ってますが、大きく出ると"洗練しきっていないElliott Smith"的な魅力もある。

いや、このバンドは売れる売れないじゃなく、存在が何処かに残って、10年後とかにも誰かが見つけ出してほしい。NOT WONK同様全面的に支持します。レビューを見つけたので紹介。
Happyness - Write In (2017) : ロックに取り憑かれた人のレビューブログ
ベストトラック:「Falling Down」「Anytime」「Tunnel Vision On Your Part」
Write In | Happyness



8. The War on Drugs 『A Deeper Understanding』
フィラデルフィア出身USインディの新大御所(予定)4th。メジャースケールで鳴らされる現代的な音響(Shawn Everett再び)と、インディ然と拾い上げてくる80s-00s各音楽要素(趣味)、のハイブリッド、前作のブレイクを継いだUS#10, UK#3は信じていい。5曲くらいでカード出し尽くしてるんですが、最初3つで完全にイナフ。以下ブログ記事にて。
The War on Drugs / A Deeper Understanding (2017) 感想 -インディの枠を超えて:WITHOUT SOUNDS



7. Slowdive 『Slowdive』
シューゲイザー御三家の一角、22年ぶりの新譜4th。「シューゲイザー」ってインターネットによって(ちょっと行きすぎな位)再評価・再発見されたジャンルに思うんですが、いやぁ……これは彼らの最高傑作、そしてシューゲイザーの新しいマスターピースだと思いました。とにかくまずは「Slomo」、この最終ラインの美しさ(すぐフェイドアウトしてしまうの本当にもったいない)は何?元々ドリームポップやアンビエントの要素を孕んでいた彼らが今の時代の録音を手にしたら、しかも00sインディ的なギタポまでちょっと取り入れてきたら、もう。見たら本作のミキシングとマスタリングはBeach House『Thank Your Lucky Stars』と同じメンツで、この辺も理想的な邂逅だったのでは。
ベストトラック:「Slomo」「Don't Know Why」「Sugar for the Pill」「Everyone Knows」
(7) Slowdive - Sugar for the Pill (Official Video) - YouTube



6. my letter 『僕のミュージックマシーン』
京都発のインディ、レーベルの言葉を借りるとアート・パンク・クァルテットの2nd。多種な洋楽からの影響をアレンジに匂わせつつ、日本語詞ふくめ(良い意味で)完全に邦楽、そしてインディの良さを携えてる、最高なバランスのバンド。本作は歌が本当に自然に入り込んできて……ここにあるのは、具体性のない寂しさや、多分最初から手にしてもいなかったのに実感としてだけはあるような不思議な喪失感。U2やGLAY、Mr. Childrenが描くような希望と祈りを詰めた「いつか・どこか」とは真逆の情感が、鮮やかなポップソングの隙間から生活として零れています。その中で「エスケープ」のように、勢いに任せて一瞬の無敵感で疾走しきった、「バンドで演奏する瞬間」が「普段の生活の情感」を越してしまう、そんな瞬間も多く納められているのが本作最大の魅力。
ベストトラック:「ニュータウン・パラダイス」「エスケープ」「僕のミュージックマシーン」「なにかしたい」「明日になれば」




5. Foxygen 『Hang』
カリフォルニアのインディーデュオ4th。60~80年代くらいまでか、異常な展開で時代・ジャンルの断絶を跨いでいくアレンジセンス、一曲中に過剰な数のアイデア突っ込んでゴタ混ぜにした"オルタナ懐古"みたいな音楽絵巻。「往年の~を蘇らせた」とかじゃなく、数十年じゃ遡り切れない歴史を踏まえたうえで、本来バラバラなはずのタイムスケールが同じ列に並んでしまう編集・景観がとんでもないなと。その上でリード曲のタイトルは「America」、パンチラインが「If you're already there, then you're already dead.」なんだから、これはもう、Lambchopの名作『Nixon』(ニクソン大統領を取り上げると同時に、その時代の音楽風景を今に鳴らし直して警鐘とした名作)と同じく、アウトサイダー的ポップマニアにしか創れないだろうコンセプチュアルアート
ベストトラック:「Follow the Leader」「Avalon」「Mrs. Adams」「America」
Foxygen - America (Official Audio) - YouTube



4. Arto Lindsay 『Cuidado Madame』
ノーウェーブ - オルナタ - エレクトロニカ - ブラジル音楽と並べてくるカルト・レジェンド13年ぶりのソロ9th。David Bowie同様「個人の歴史」と「時代の現在」(ここでは若手を起用することで実現)をクロスオーバーさせる創作活動、齢63にして最高傑作誕生です。Slowdiveもそうで、時代の進みにしっかり焦点を合わせ直せるミュージシャンは強い。ライブも素晴らしかった。
Arto Lindsay / Cuidado Madame (2017) 感想  ノーウェーブ、ブラジル音楽の証人が立ち会わせた2017年



3. Cloud Nothings 『Life Without Sound』
オハイオ州……とかいいでしょう、セールスお構いなしに自分たちの音楽に全能感を保ち続けている奇跡的なロックバンド4th。今作がこれ最高傑作じゃないですか?一曲目のピアノ、間奏だけで何故か泣きそうになった。これ聴くと本当「(ジャンル名)は死んだ」とか「(シーン)の再興」とか、そんな冷静に俯瞰してる場合じゃないよと、これを前にして適当な距離をおいて書き出すなんて自分には無理だ……。1990 - 2000年代エモがどうとかいう歴史の前に「今」「この一枚」だけで直接響く。「REALIZE MY FATE」なんて曲題、ヒロイックすぎるけど、「I believe in something bigger, but what I can't articulate. (信じてるんだ、何かもっと大きな、でもうまく説明できないものを)」って、このアルバムを聴けば理解る、伝わるよ。
ベストトラック:「Up to the Surface」「Modern Act」「Realize My Fate」だいたい全部
Cloud Nothings - "Modern Act" (official music video) - YouTube
Life Without Sound | Cloud Nothings



2. Kamasi Washington 『Harmony of Difference』
スピリチュアル・ジャズほかサックス、コンポーザーのEP。最初5曲もアンサンブルの妙ありますが(「Truth」とどっちから出来たのか気になりますね)、やっぱり「Truth」です。15以上の楽器、総勢30名弱のプレイヤーの演奏・即興を内包し奏でられます。カマシのメッセージは以下。EPのアートワークはこうでした。

「異なるメロディーを融合することで生まれる美しいハーモニーを聴いて、リスナーが我々人間一人ひとりの違いの中に ある美しさに気づいてくれることを願ってるよ」
引用元

truth-pack-min.jpg
Pharoah Sanders『Karma』やTortoise「Djed」の様な自然発生的な変遷を辿る長尺でなく、フィッシュマンズ「LONG SEASON」のように循環コードを展開した、構成とコード進行(ほぼ3つ?)自体は非常にシンプルな一曲。そこにこのメッセージ、人数、音をひとつにまとめるだけで、なぜこんなにも感動的なのか。祈りに似た感覚を覚える、メッセージと発表された時代背景ふくめ、2017年に奏でられる最大スケールの名曲です。Blue Note ジャズフェスティバルで来日、あぁ~~……。
ベストトラック:「Truth」



ここまで読んでくれた方、本当ありがとうございます(この記事のタイトル・リンク省いた本文量は8000字弱らしいです。前後編で15000くらい)。ラスト、自分が今年一番感動した作品はこれでした。



1. The National 『Sleep Well Beast』

The National / Sleep Well Beast (2017) 感想:WITHOUT SOUNDS
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